お葬式といえば悲しいことばかり思い起こしますが、お坊さんが歌を謡うようにお経を上げる時だけは、「いったい何をいっているのだろ・・・」と、どこか不思議な気持ちにさせられたものです。
また、お経を聞いているときだけは正座をしなくてはいけませんから、お経イコール緊張感のあるものといった印象があります。
ところで、私がお経の本当の意味を知ったのは、40歳の頃、私が仕事で体調を崩した時のことでした。
そのころは、とにかく体調を早く回復するために何かしないといけないと思い、写経を始めることにしたのです。そのため、用紙と筆、硯と墨など写経道具一式、そして写経の専門書を購入しました。その専門書には、般若心経や観音経などに何が書いてあるのか、その意味合いが付属してありました。
写経自体は6年近く毎日続けました。その中で知ったのが、お経というものは、つらい世の中をどうやって穏やかに暮らせばいいのか、その答えがお釈迦様の教えとして書いてあるものだとわかりました。
お釈迦様は実在した人物だと言いますが、お経に書いてあるようなことをお釈迦様が悟ったとするならば、本当にすごい人物だと実感した次第です。
今でも心がざわつくときに写経をしていますが、お経の意味合いを感じながらの写経は、本当に心が落ち着くものです。